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シンゴジラ論(藤田 直哉)

「ホイールローダーは瓦礫をどかせないし、
アウトリガーを展開するには、あんなに寄せではダメです。」
などという現場からの「シンゴジラ」への愛あるダメ出し。

「1番作っちゃいけない作品だった」という
辛辣な批判に対する集中放火の凄まじさ。
「ネトウヨ思想にはパンチを食らわしている」、
と言うシールズからの意見。
さまざまな意見を分析する新しいゴジラ概論。

ゴジラナショナリズム、ニュータイプの日本ロマン派
という見方がとても面白いと思えた。

北野武の『みんなやってるか!』が
その源流だという
おまけ論文は少し疑問だったけど。

シンゴジラ論

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ウルトラシリーズ・サブキャラ大事典(市川森一ほか)

市川さんをはじめ、制作者たちが語る
ウルトラシリーズの裏話。
『ウルトラセブン』はベトナム反戦運動への反動で作られたため、
ミリタリー路線から、SF、ホラー、メルヘン…
何でも盛り込んで作っていた。

制作側のせめぎ合い。
特撮シーンを増やしたいTBSと、本編を増やしたい円谷プロ。
苦労する脚本家たち。
『帰ってきたウルトラマン』で
怪獣とストーリーがちぐはぐだったのは、
デザイナーが先行して怪獣を作り、
撮影で適当に使ったから。

ヤプールの正体が何だかなぁ、だったのは
「人間の心に救うトラウマの表れ」という
市川案が没になったから。
『エース』の最終回は、
「北斗と南が結婚して子供生まれる」という
設定だったと言うことも、
大人になった怪獣ファンとしては
大変興味深い話でした。

ウルトラシリーズサブキャラ大辞典

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| 読んだ本 | 07:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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渥美清の肘突き―人生ほど素敵なショーはない(福田 陽一郎)

演出家福田陽一郎さんが描く
日本のテレビ界の、黎明期のエピソードの数々。

渥美清もクレージーキャッツも
売り出し中のお笑い芸人のような存在だった時代があった。
そして日本のミュージカルを根付かせるための
様々な事業にすすむ福田さん。

私も『ショーガール』を楽しみに見ていたので、
その舞台裏が面白かった。香具師の「タンカ売」のセリフを、
飲み会で滔滔と演じた渥美清。
その独演会のネタをもとに
『男はつらいよ』は作られた。
これ、どこかでドラマにしてほしいなぁ。

渥美清の肘付き

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僕の音楽キャリア全部話します(松任谷正隆)

ユーミンの旦那、松任谷正隆さんのエッセイ。
若いころ不思議だった謎が1つずつとけていく、
まるでミステリーを読むような快感があった。

『あの日に帰りたい』はTBSの、『家庭の秘密』という番組の
主題歌として、書き換えられた作品。
藤田敏八監督の「妹よ」の代役で急きょ映画音楽を担当したエピソード。
絶対にヒットすると言う確信を持っていた『なごり雪』のアレンジ。
『中央フリーウェイ』は先日亡くなった、
あのかまやつひろしさんへのプレゼントだった。

さらに、ユーミンとの新婚旅行についてきた、
拓郎とかまやつさん。
『恋人とこないで』のレコーディングで見せた
岡田眞澄の真剣さとダンディーさ。
『守ってあげたい』がベストテンに登場したのは、
実は正隆さんの勇み足だった。
「今でも直したいとおもう」曲が3曲はある。
『ノーサイド』や『霧雨で見えない』を歌った
麗美が事務所を去った理由。

私の青春時代を飾った曲たちの
裏エピソード。
あの時代が蘇ってくるのです。

僕の音楽キャリア全部話します

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デモクラシーは仁義である

改憲派が大手をふるう政界で
踏み潰されている立憲主義。
そして、軽くあつかわれてしまう
民主主義の大原則。

これを、
「踏み外すちゃいけねぇ『仁義』」
と読み替えてみたらどうだろう。
という著者の視点がわかりやすい。

なぜ民主主義が大切なのか、という事を、
正面切って言っても、聞いてもらえない時代。
いつもの切り口ではむつかしい。
「あなたの批判はおおよそ正しい」
という懐疑派の視点からのアプローチが大事。

戦前回帰は嫌だけど、
「アベ政治」批判に踏み切れない、
ウジウジしている人たちのための本。

「ちょっとでも、ヘイトスピーチは許せねぇと思ったら、
デモクラシーの友達です。」
うん!うん!

デモクラシーは仁義である

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文楽・ぶんがく (阿久 悠)

「音」楽に対する「文」楽を提唱する。
昭和を代表する作詞家のエッセイ集。

「壮大な嘘を、色鮮やかに描いてみせる」
そんな街、東京。
「銀座とカルピスを、かけ合わせると初恋になる」
という、喫茶店。
名曲たちを生み出した、
作詞家ならではの視点がまぶしい。

「そろそろ作詞家も『学校=卒業』と言う分色を捨て、
人生の中での『卒業の儀式』を見つけなければならない」

「自由を欲するなら、まず(携帯)電話を手放せ」
作詞家・阿久悠さん若者へのメッセージ。

西城秀樹の『若き獅子たち』にこめられた、
太陽のイメージ。
あの時代を懐かしく思い出しました

文楽

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ハリウッド黄金期の女優たち(逢坂剛・南伸坊ほか)

ディープな洋画が好きの三谷幸喜さんをゲストに、
ハリウッドの「いにしえの女優たち」を紹介する「美人画報」。

美人の基準ですら、
時代によって相当変わっている
ということもよくわかる。

清楚と言うよりは、
主張の強そうなキャラクターぞろい。
スチールより、もっと映画のワンシーンのような
写真をみたかった気もする。

誰とでも寝ていたらしいブリジット・バルドー、
うつ病で死んだドロシー・ダンドリッジ。
さらに、名前も知らなかった女優たち。
スザンヌ・プレジェット、
ジョーン・テイラー、
アンナ・マリア・アルバゲッティ。
とっても「新鮮な」
ハリウッドの女優名鑑でした。

ハリウッド黄金期の女優たち

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ゴジラ映画音楽ヒストリア1954~2016(小林 淳)

「豪速球のドラマツルギーを語り、暴れっぷりを、
大きな構成のオーケストラが奏でる響きで真正面から語っている」
『シンゴジラ』でも、効果的に使われていた伊福部『ゴジラ』

ゴジラ一作目は戦後10年で作られたもの。
だからこそ、戦争中の
「軍楽隊の吹奏楽調をさけ、弦楽器を織り込まれた」
そんな伊福部さんのポリシーが反映しているという。

トクホのお茶のCMでもおなじみ「怪獣大戦争」のテーマ。
「映画快感と劇的高揚を高める」という解説の通り、
時代を超えて、ジャンルを超えてのアピール力は全く衰えることがない。

そして「モスラの歌」に秘められた
民族音楽の深みとタガログ語で作られた歌詞の完成度。

様々な一流の作曲者が手がけてきたゴジラ音楽。
それぞれの個性とゴジラのストーリーを
もう一度思い出させてくれる。

ゴジラ映画成功の、大事な鍵は、
音楽あった、と言えるのではないか。

ゴジラ映画音楽ヒストリア

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オリンピアと嘆きの天使 ヒトラーと映画女優たち(中川右介)

同時代を生きていた2人の天才的女性
ヒトラーに愛された、レニ・リーフェンシュタールと
『嘆きの天使』で大抜擢された、マレーネ・ディートリッヒ。

2人を軸に、戦争と平和、そしファシズムの戦い、終戦、戦後。
彼女たちの壮絶な生き方を描く。

さらに間接的に戦意高揚映画に出ていた原節子、
父がヒトラーの協力者で、幼年期に
ナチスの軍靴に翻弄され続けたオードリー・ヘプバーン。
この2人が絡んでくるのだ。

弾圧に堪え、権力にすり寄って、
それぞれ頂点にたどりつく。

また反ナチスの活動で、
泥だらけになり最前線で
連合軍の慰問に走り回るデートリッヒ。
しかし戦後のドイツでは、
裏切り者として評価されなかったのだ。

1周回って知らない話がたくさんあった。
戦場に響く、彼女の『リリーマルレーン』。
慰問先で発表されるノルマンディー上陸の知らせ。
連合軍の前で、ジャン・ギャバンとキスをする
デートリッヒの輝きは今読んでもまぶしい。

だが、ナチスの暴力をしらなかったと言うドイツ人たち。
実はデートリッヒの姉も、
ナチスに間接的に協力していたという。

生き残るために何でもしなければならない、
それを断罪されても…というせつなさ。
個人の弱さと国家の暴力の関係は
どうしようもないのになぁ。

オリンピアと嘆きの天使

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園芸家の1年(カレル・チャペック)

親バカならぬ「園芸バカ」としての
ユーモアあふれる園芸日記。
「植物バカ」たちの愛すべき自虐ネタの数々。
園芸家でもないけど、思わず吹き出してしまう。

寒さと戦い、雑草と戦い、日照と暑さに戦い、
子供のいたずらを嘆くチャペック。
やさしさと博物学的な知識、
ウィット溢れる文章とヘタウマなイラスト。
ホッとしたいときに読むのいいかも。

でもこの作品は、ナチスの影が忍び寄る
「恐怖の時代」に書かれたもの。
「ナチスの影」がチェコスロバキアに迫っていた時代。
その中で描かれた作品なのだ。

チェコ版『この世界の片隅に』といってもいいかも。
どんな時代でも
「想像力を上へと育てる」。
「神様のおかげで、私たちはもう1年未来に進むのだ」
という決意。

その大事な部分を解説する、
いとうせいこうさんの「あとがき」が
さらに素晴らしかった。

園芸家の1年

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読書は1冊のノートにまとめなさい完全版(奥野宣之)

選ぶ本のヒット率を上げる。
マーキングして読む。
記憶に残るように読書ノートを作る。
それを読み返したりして、活用する。
自分にとって大切なことを、一言で書く。

「感想文」と言うと大変だけれど、
この「一言でいいよ」「1番面白かった部分だけ」という発想。
多読派、雑読派として、すごく共感します。

読書は1冊のノートにまとめなさい完全版

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ジブリの仲間たち(鈴木敏夫)

電通と博報堂を交互に使うというのは
徳間社長のアイディア。
糸井重里の起用、東宝、日テレ、
さまざま会社とのタイアップの成功。
「もののけ姫の半分」と言われて
カチンと来たと語る鈴木敏夫。

仕掛けが次々成功し「千と千尋」だから
1000 + 1000で2000万人が見た大成功になった。
CMに「カオナシ」を前面に打ち出して、
冒険ではなく哲学を得るとして成功する。
徹底的な宣伝戦の裏話がどれも楽しい。

「1つのことに向かっていくのは大変。
学生運動もある意味でお祭りだった。
仲間をふやすオルグ、これも楽しかった」と語る鈴木さん。
あふれ出す楽天性が、スタジオジブリの活力なのかも。

ジブリの仲間たち

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