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「この6つのおかげでヒトは進化した―つま先、親指、のど、笑い、涙、キス」(チップ・ウォルター)の感想

サイエンスライターは古今東西、
医学・文学・哲学・心理学あらゆるジャンルに精通し、
シェークスピアからテレビドラマのセリフまでスラスラ出てくる。
科学の論文や「ネイチャー」も「ニュートン」も読まない人に
わかりやすく解説してくれる。
広く浅くがモットーの私にはちょうどいい本でした。

タイトルの原題は「THUMBS,TOES,AND TEARS And Other Traits Make Us Human」
で足の親指・手の親指、涙がメイン。
もちろん、本文に「6つ」ちゃんと入ってます。

注目なのは「のど」のあとの笑い、涙、キス…
キスってしないけど…必要?

この6つのおかげでヒトは進化した―つま先、親指、のど、笑い、涙、キスこの6つのおかげでヒトは進化した―つま先、親指、のど、笑い、涙、キス
(2007/08/24)
チップ・ウォルター

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筆者のウォルターは、テレビのCNNで活躍していたジャーナリストであり、
アメリカの科学誌では有名らしい。
(わたしは初めてて知りました)

サルから人間に進化する過程は
けっこう関心が高い話題であり、
ミッシングリングになっているので想像や期待が入りやすい。
NHKスペシャルでやったので一定知ってました。

最初ポイントは、類人猿が人間になる過程で
足の形が変化したこと。
長時間歩けるように「足の親指」が大きく変化した
ここで例の「グールドの『断続平衡説』」やHOX遺伝子の話、
絡めてくるのも面白い。

同じように「手の親指」も180度回転する特別な仕様に進化。
コニュミケーションの発生で言葉を作り出す「のど」の進化も
窒息の危険を冒しても(人間は誤嚥しやすい構造に進化してしまった)
複雑な音が出せる仕様になった。

(北王子欣也の魂が犬に入っても、お父さん犬のようには絶対しゃべれない)

涙、笑い、それぞれを科学的にどういう作用で
なぜ進化したのか、面白く解説。
「プラトンの2頭立ての馬車」(知性と感情)では説明できない
「感情の涙と笑いが人間たらしめた」

うん、そうかも~

そして問題の「キス」が人間を作ったぁ
アメリカの文化ではキスはほんとに大切らしい。

駆け魂を追い出したり、女神に力を与えたりと
漫画の世界では大活躍ですが…
(やっと、このブログの趣旨とつながった!)
アメリカでは
「心拍数が上昇し、瞳孔が開き、呼吸がはやくなり、
虫歯になりにくくなり、ストレスが軽減し、カロリーが消費され
自尊心が高まり、(脳内にいろんな物質が出るという)」
とにかくいーぞーということが書かれている。

その次にフェロモン。
異性が自分の遺伝子に不足しているものをもとめ
個々人で魅かれるフェロモンが違うとか、
アンドロステロールというのは女性を積極的にさせるらしい、
なんてことも出てます。

誰とキスをするのかを決めているの脳の「大脳辺縁系」の部分。
大統領も逆らえない大脳辺縁系の司令でアメリカの政界は大変なことになったし、
「衝動と理性の対立」からくる「嫉妬」が脳内の天候を急変させる。
「この已むに已まれぬ衝動こそが、知性を使わせ謎をとく原動力になっている。」
うーん。そういう結論ですか。

さしてエピローグ
筆者は、人間は「ホモサピエンス」から「サイバーサピエンス」に進化すると断言。
人間は遺伝子レベルまでデザインを変え、
ナノマシンで知性も若返りも可能になる。
人間は究極のデジタル生物になる…

あー、頭だけのクール星人とかズノウ星人(スペクトルマン・古いっ)
とかサイバー進化した宇宙人いたよね。
むしろ暁星記の人類みたいにひどく後ろ向きの生物になってそう…。

情報をいかに1つの結論のために集めるか、
小説でも、ノベルでも、漫画でも
幅広い知識をその下敷きにしたり、背景として取り込んでいくと、
作品の質が高まり、世界観が広がる
読む側もそれを読み解く力が必要なのかも。

そんな好奇心を広く深めてくれた1冊でした。
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