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ほんの数行(和田 誠)

何という魅力的なラインナップだろう。
和田誠さんが自分の装幀した、膨大な本の中から
厳選した100冊について書評を書くというエッセイ。

もう絶版になっていたり、
文庫化の時に表紙が変わっていたり、
読めなくなっている本もたくさんある。

「挨拶は大変だ」丸谷才一
「裏表人生」色川武弘
「街に顔があった頃」開高健・吉行淳之介。
「すっかり丸くおなりになって」佐藤充彦
「仕事場対談」7人のイラストレータ
「はじめて話すけど」小森理。
「つかへい腹黒日記」つかこうへい
「映画この話したっけ」森卓也…。

最後は、父親が築地小劇場の設立メンバーだった話と、
ラジオドラマの音響やっているときに、
思想を理由に、突然クビになった証言。

「近頃、日本をそんな時代に
戻したがっている政治家がいる」、
という父への想いが熱い。

ほんの数行

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本の枕草子(井上ひさし)

清少納言の方ではなく、
「本が枕」というのがタイトルの由来。
井上ひさしさんが週刊文春に書いた
連載時事エッセイをまとめた本。
ちょっと書き散らした感が溢れるかんじ、
初出が昭和57年、時代を感じてしまいます。

「本の十徳」の第一は「時間つぶし」。
本好き、本マニアの井上さんの自虐的で
アイロニカルなコメントが並ぶ。

書き込みを見て、自分の売ってしまった三遊亭圓朝全集を
また買ってしまったことに気づいたときの驚き。
無人島に行くなら、自分の書き込みがたっぷり入った
「世界にたった1つしかない広辞苑」を持っていく。
付箋紙と「不審紙」の違い、それに対するこだわり。

「新憲法は小生にとって痛快この上ない読みものです」
という井上さん。

その生き方がにじみ出る1冊でもありました。

本の枕草子

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オレンジシルク(神田 茜)

マジックって楽しい。
信用金庫に勤めながら手品の楽しさを知った主人公。
お得意先のおばあちゃんが実は元マジシャン。
親友の清美の彼氏は、うれない大道芸人手品師。
憧れのユウトはマジックバーの人気者。
出る人みんな手品関係者ばかり。

卑劣な振り込み詐欺と戦う支店長。
同じ名前でもマジックと詐欺は全然違うのだ。

ゲーム女子からマジシャンへと転身し、
仲間と共に進む姿に勇気をもらった。
落語や講談の「弟子」システムや、徒弟制。
一見、前近代的見えるけど、そこにも大事な理由があった。

「インコは体の使い方に無駄が多いんだ。
動きをシンプルする。
シンプルにすることがきれいに見せるんだ」

師匠の的確な指摘と師弟愛。
寄席芸人たちの世界が持つ、
独特の温かさが伝わりました。

オレンジシルク

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僕が映画ファンだった頃(和田 誠)

『怪盗ルビィ』、『麻雀放浪記』など
でも有名なイラストレーターの和田誠さん。
この本は最近の復刻版DVDの解説書などで書かれた、
映画評論家としての和田誠の総集編。

熱烈な映画ファンの和田さんが、
「過去形」で語る意味。
昔の映画にあった素晴らしいものが
いま忘れられていることへの危機感なのだ。

ハリウッドの黄金時代の名作、
「グレンミラー物語」、「バンドワゴン」、「キスミーケイト」、
「運命の饗宴」、「7人の愚連隊」、「ジョルスン物語」…

黒澤明、Steven Spielbergなど好きな映画監督や
楽しい映画の話を
めいっぱい詰め込んだお得な一冊でした。

僕が映画ファンだった頃

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ほんわかクラゲの楽しみ方(平山ヒロフミ)

ゆらゆら揺れながらの心を癒してくれるクラゲ。
様々な形態は、
かわいいものから、ブキミなものまで。
世界中に、こんなにたくさんのクラゲの種類があったのか。

ニュースになるエチゼンクラゲ
猛毒のカツオノエボシ
かわいい天草クラゲ
タコクラゲ
アサガオクラゲ、
カラージェリー、
浦島クラゲ、
あんどんクラゲ、
カラー写真が見ていて飽きない。

海の不思議生物の魅力と飼い方が
よくわかる本でした。

ほんわかクラゲの楽しみ方

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妻との修復(嵐山光三郎)

「死んだ夫が、どういう人かわかりませんでした」
といったトルストイの妻。
女性に対して、あまりにも非道な野口英世。
逆に、妻エミリのために『武士道』を上梓する、
愛妻家・新渡戸稲造。
女性解放論者を口説きまくった、
スキャンダラスで野性的な鬼畜パワーの岩野泡鳴。
男女の仲の奥深さは、本当に計り知れない。

嵐山さんは言う
「友人の妻の相談に乗ってはいけない」
「夫婦がしょっちゅう顔を合わせない」
「別居して圏外にいてくれれば良い」
「孫はかすがい」

そして
「無理に修復せず、時間に任せる」。
それが最大の修復法なのかも。

妻との修復

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吉本流切り返し術 ああ言えば、こう言う!(大谷ゆり子)

吉本興業のマネージャーを長年勤め、
今や企業の研修に飛び回る大谷さん。

嫌なことを言われた時、
悩むのでなく、それをうまーく「切り返す」
そんな言葉たちを紹介している。

「何のためにやるんですか」と言われたら、
「何のためにやるのか考えて!」

「もうそんな歳なの?」と言われたら
「心は24歳なんです!」と切り返す。

「ついてない」と嘆く人には
「そんなことを言ってると本当に人生がついてないものになるよ」

「上司がわかってくれない」と言われたら
「じゃあ、あなたは相手のために何をしてあげているの」と切り返す。

あくまでポジティブに、相手を傷つけないように
即座に軽く返していく、
というのがコツなのだ。

吉本流切り返し術 ああ言えば、こう言う!

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私が虫を食べるわけ(ダニエラ・マーティン)

美人の文化人類学者が、虫を食べてニッコリ。
驚きの写真とともに、
巻末には、虫を美味しく食べるレシピ集。

とにかく食べてるものがすごい。
コオロギ、バッタならともかく、
ミールワーム、芋虫、サソリ、タランチュラ…。

でも、地球環境に負荷を与えている牛や豚に比べ、
はるかに環境にやさしい「昆虫食」。
肉製造機のように扱われている牛たちへの
動物愛護の立場からも必然だという。

どちらが地球に優しいとかははっきりしている。
動物がタンパク質を作り出すためには、
さまざまな微生物の力を借りているが、
その作業は虫こそ得意分野。

さらに、食紅などの赤い色素は
カイガラムシのエキスが由来。
食品の中には何パーセントまで
虫が入ってもよいという基準もある。
そう、知らない間に、わたしたちも虫を食べていたのだ。
ハンバーガーも焼肉も、
私たちは加工現場は見てないから平気だが、
動物を殺してるんだよね。

「はじめは無視され、次に笑われ、それから攻撃される。
でも、そうなったらこちらの勝ちだ」
マハトマ・ガンジーの言葉のとおり、
虫食は文化の問題として規定されているだけ。
スペースコロニー時代には、
きっと多数派になるに違いない。

私が虫を食べるわけ

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